土石流警報システム 遠距離通信オプションとは

    ・ 通信モジュールとしてデジタル簡易無線トランシーバーを使用した長距離(~20㎞)で接点信号(A/B接点)を伝達できる通信装置です。

    ・ 充電式の小型バッテリー(5Ah)で長期間(3カ月)監視が可能です。

    ・ 送信側のB接点信号・A接点信号を受信側で区別して出力(A接点出力)できます。

    ※ご注意 ; 送信側に接点信号が入ってから受信側で接点出力を得るまでに 15秒 程度の時間がかかります。


 遠距離通信オプション 送信側
送信機 設置状況
保護ケース内部 機器
送信機主要部 トランシーバー+制御部
 遠距離通信オプション 受信側
受信機 設置状況
保護ケース内部 機器
受信機主要部 トランシーバー+制御部


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遠距離通信オプション

通常、無線式の土石流センサーは特定小電力無線による通信で河川上流の土石流発生による警報信号を河川下流に送信し、 警報機などを動作させます。特定小電力無線は通信距離が見通し800m程度、 受信機に八木アンテナを接続して感度を上げると2㎞程度の通信が可能です。 しかし、実際の現場では河川上流の送信機から下流の受信機が見えるような場合は稀で、途中に尾根や谷、樹木があり、 これらが障害物となって通信距離は短くなります。 (当社ではこれまでの経験から、土石流が発生するような谷の奥からでは通信距離は見通し距離の半分~1/3程度と考えています) 通信距離が足りない場合は途中に中継機(受信機+送信機)を設置して信号をリレーします。 特に河川が折れ曲がり、尾根が多い場所では多数の中継機を設置する必要が生じます。中継機を設置する場所としては通常、 電源が無いためソーラーパネル式の電源装置を設置する必要もあり、機器費用がかさむ上、用地の確保にも苦労します。 このため、中継機を必要としない遠距離通信装置が望まれていました。



遠距離通信オプションの仕組み

最近、免許の必要ない(登録申請と電波利用料は必要です)デジタル簡易無線トランシーバーが認可されました。 デジタル簡易無線の出力は 5W で特定小電力無線(10mW)の 500倍のハイパワーで遠距離(~20㎞)の通信ができます。 これを利用して土石流警報システムの接点信号を遠くに伝達する装置としたのが遠距離通信オプションです。
ただし、トランシーバーは省電力にまとめられていますが、電源を入ったままにすると1日程度でバッテリー残量が無くなります。 また、トランシーバーは音声を伝達するもので、そのままでは接点信号(ON/OFF信号)を送ることができません。
このため、別途、制御装置を制作し、信号を伝える必要のある時以外はトランシーバーをスリープ状態とし、 音声信号を接点信号に変換する制御装置を作り、 電源の無い場所でも小型バッテリーで長期間の監視が可能な装置としました。


※ 通信には約15秒かかります

上図 ①の「ワイヤー切断検知」から②の「接点出力」までトランシーバーの電源操作、音声信号変換(ID化)、通信、 信号ID確認 の各段階があり、①~②まで通常は15秒程度の時間がかかります。
送信側に常時供給可能な電源(商用電源やソーラー発電)がある場合、 トランシーバーを常時作動させておけるので起動操作の時間は省略できます。(約 9 秒で出力; 6 秒短縮)
また、IDの確認なしで電波着信と同時に接点出力が出るようにする(さらに 8 秒短縮)と、ほぼ即時に接点出力を得ることもできます。 ただし、ID確認なしにすると、他の同一周波数帯の電波(他のデジタル簡易無線)により接点信号を出力し、 誤報となる恐れがありますのでお勧めできません。



特定小電力無線とデジタル簡易無線の使い分けが必要

土石流の速度は一般に20m/sと想定されるため、土石流は15秒で300m進むことになります。
警報が発令されてから退避に要する時間を60秒(土石流は1200m進む)とすると、 遠距離通信オプションを使用する場合、ワイヤーの設置場所は1500m(300m+1200m)上流でなければならないことになります。
短い河川の場合は即報となる特定小電力無線を使用し、 河川が長く、通信に15秒かかっても避難に要する時間が稼げる場合はデジタル簡易無線を使用する、 というように現場に応じた無線方式の使い分けが必要です。

デジタル簡易無線の使用には「登録申請」と「電波利用料納付」が必要です。

遠距離通信オプションをレンタルでご使用の場合は、 当社が上記手続きを行って所有しているものをお貸しすることになりますので、お客様にこの手続きは必要ありません。
※ 当社は他の土石流警報システムの機器(特定小電力無線の送受信機や警報機など)のレンタルは行っておりません(販売または業務受託のみ)が、 遠距離通信オプションはレンタルによる貸し出しを行っています。

遠距離通信オプションを購入して使用する場合、お客様に総務省総合通信局への登録申請・運用開始届の提出・申請費用と年間の電波利用料の支払いをしていただくことになります。
・登録・届出の手続きは簡単で、申請時に申請費用 2900円(局数に関係なく)が必要です。
・年間利用料は600円(複数局の包括登録の場合 540円×局数)で年1回の支払いとなります。
・登録は5年ごとに更新(更新費用 1850円 局数に関係なく)が必要です。
・登録局を使用しなくなった場合は廃局届を提出します。


遠距離通信試験結果

地図上に示す地点(各青〇、各赤〇)と当社所在地点(島根県松江市東津田町;中心の青〇)との間で試験を行った。
  1.      青;通信到達を確認した点  赤;通信が確認されなかった点
  2.      通信が確認された主な送信地点と受信地点との距離を青数字で示している。
  1. ・通信が確認された地点のうち通信距離が最長のものは26.52㎞であった。
  2. ・通信距離が6㎞程度であっても、通信線上に複数の障害物(山など)がある場合、通信不能である場所(地図上の26、27、28、29)も見られた。

通信距離は送信機と受信機の間に障害物がある場合、短くなります。
    通信線上に障害物がある場合、おおよその目安として以下のようにお考えください。



図中の赤の部分は通信が届かない
土石流警報システム設置の際には必ず通信試験を行い、通信状況を確認してください。



遠距離通信オプションの詳細については当社(シンク・フジイ)にご相談ください

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