真砂土の特性


1)特殊性

真砂土が特殊土と呼ばれる理由を基本的性質から考えるとそのひとつは、鉱物組成の変化が多いこと、つまり砂質土であっても分布地域や採取場所によって鉱物の組合せが異なることである。
いまひとつは、風化程度によって粒径は、もちろん土の強さや透水性が異なる。

真砂土とふつうの土の比較(西田)
性質項目真砂土沖積砂
一次的性質土粒子の鉱物種
土粒子の比重
粒度、粒径
質的変化が多い
不均一である
変化しやすい
質的変化少ない
均一である
二次的性質含水比、間隙比
飽和度、土の構造
水と土粒子の関係が複雑
土粒子内空隙が重要
教科書のモデルが
適用できる
工学的性質透水性、強さ
圧縮性、締固め特性
一次的性質と二次的性質
が重要である
主として二次的性質に
依存する


2)真砂土斜面の安定性について

真砂土は特に水に弱い土質である。これは一般に花崗岩の風化が深層にわたって及んでいること、またその表層が比較的短年月の間に物理的化学的風化の進行によって完全な土砂化をするためである。
特に粗粒花崗岩は、粘土鉱物の流出によって、土砂化した際に砂質土となり粘着力成分を失うため流水によって侵食崩壊しやすくなる。
斜面安定の問題、特に自然斜面の安定解析は、土質力学の教科書通りにいかないものの代表である。
一方、真砂土の性質は、特に自然状態と、撹乱状態でその性質がかなり違うという特殊性を有している。
自然状態では、もとの岩石としての構造組織が残っていて、土砂化した後でも粒子のかみ合わせのために、見かけ上粘着力成分がかなり存在する。
一方切り取ってばらばらにすると完全に砂質土になって粘着力成分を失ってしまうことが多い。


3)自然斜面内の雨水の浸透について

一般に崩壊を起こす表土層の透水性は下層の基盤となっている、真砂土や軟岩層に比べてかなり大きいのが普通である。
しかし、軟岩状の真砂層も見かけとは違って透水係数が1×10-3cm/secよりも大きいことが多い。つまり下層も透水性があるということである。
集中豪雨が長時間続くと表土層の浸透量が流出量より多くなり表土層底部に浸透水が貯留し始め地下水を形成する。この水位が次第に上昇する過程で安定に関する力のバランスが崩れて全面的な崩壊に至る。


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